2025.12.17
栄養課 管理栄養士 Yさん
有朋会で働く1人ひとりの職員にスポットを当ててインタビューを行う、フォーカス「くりた人」。今回は栄養課で働く管理栄養士のYさんにフォーカスしました。
担当されている業務や大切にされていること、今の仕事のやりがい等をうかがいました。
(2023年11月発刊 広報誌こだま45号より抜粋)
栄養課の業務は、給食部門と臨床部門の大きく2つに分かれております。
給食部門では、患者様に安全で、美味しく、健康的な食事を提供できるよう取り組んでおります。主に私が担当しているのは、糖尿病などの内科疾患の方向けの特別治療食の献立作成や、嗜好調査、消耗品の発注業務、害虫駆除管理などです。
特別治療食の献立作成では、規定の栄養量を守りながらも、患者様の満足度が落ちないよう試行錯誤して作成しております。年2回の嗜好調査では患者様の意見を頂ける貴重な機会です。頂いた意見を真摯に受け止め、厨房の栄養士と連携し、給食の満足度向上に努めております。
臨床部門は、患者様の栄養管理や、栄養指導などの業務が中心です。栄養指導では対象者のピックアップから実施まで行っております。その他、月1回のデイサービスとのカンファレンスなども担当しております。患者様の健康管理にかかわる重要な業務のため、他部署と連携し、患者様に寄り添った提案が出来るよう心がけております。
また、「栗meal」や「KURITA食堂新聞」などの情報誌による発信を通して、給食の価値向上や栄養課をより身近に感じていただけるよう取り組んでおります。
栄養課の業務の中で患者様と最も深く関わるのは栄養指導です。“栄養指導”というと、厳しく食事を制限されるのではないかというマイナスな印象を持たれることもあります。そのため、初回の際にまずは自己開示を行い、「一緒にできることを探していきましょう。」などの言葉をかけて患者様に寄り添う姿勢を印象付けられるよう心がけています。
会話の中では、患者様が素直な気持ちを話せるよう、よく傾聴すること、共感することを大切にしています。栄養指導を通して健康になっていただきたいという想いも強くあり、時には患者様にとって難しい提案をすることもあります。その際には「年齢を重ねても食事を楽しめるように、今から健康的な食生活を取り入れていきましょう」「目標を達成したらこんなメリットがあります」というようなポジティブな面からフォローすることを大切にしています。

自分の仕事が患者様の役に立っていることや患者様との絆を実感できたときに、とてもやりがいを感じます。
嗜好調査では食事に対しての感謝や、食事が毎日の楽しみになっている、などのコメントをいただくことがあります。食事が与える患者様への影響力の強さや、給食が患者様の楽しみや希望になっていることを実感できます。前述の栄養指導では結果が出るまでに長期間かかるケースが多いです。そのため患者様の体重や検査値が改善された際には一緒に喜び合うことができます。
また、患者様から「学びになった」、「こんな風に変わることができた」「栄養指導を受けてよかった」など前向きな言葉をいただいたときに、患者様と信頼関係や絆を深めることができたのではないかと感じます。
精神疾患では生活習慣が不規則になりやすいことから肥満などの生活習慣病を合併する方が多いです。ストレスによる極度の暴飲暴食、強いこだわり、依存、拒食などの難しいケースや、生活環境、家庭環境などが複雑に関係しているケースも多いように思います。そのため、他部署の方や関係機関の方との連携により、患者様のキャラクターや普段の様子、生活状況を把握することが食事の改善をするうえでも需要なポイントとなっています。
時には他部署や関係機関の方からアドバイスを頂いて、指導内容を考えることもあります。入院患者様の食事に関しては、合併症の有無や、血液データ、体格、喫食状況、嗜好、口腔内の状況など様々な視点から考慮することが重要です。
患者様とより身近に接する病棟と連携し、日々の食事が治療に生かせるよう心掛けています。多職種と連携するなかで、患者様との接し方や、それぞれの職種の視点からの改善案など本当に多くのことを勉強させていただいております。
食べることや料理が好きで管理栄養士を目指しました。
資格取得に向け勉強する中で“食”を通して幸せな気持ちや体験を届けたいと思い、大学卒業後は飲食店でマネジメントやメニュー開発などの仕事をしておりました。飲食業界で働く中で健康を意識した商品が注目されるようになり、社会全体の健康志向の高まりを感じておりました。
その一方で、健康や食に対しての情報過多により、間違った食生活や健康法を取り入れてしまう事も耳にしていました。美味しい食事を提供するだけではなく、栄養や健康の正しい知識と適切な食事の選択方法を伝え、食べることを楽しみながら健康になるサポートをしたいと思うようになりました。そのためには臨床栄養の知識や経験をつむことが大切だと考え医療現場での管理栄養士の仕事を選びました。

近年では、栄養や食生活が精神疾患や認知症の療養や予防に効果があるというデータが集まり、「精神栄養学」という言葉も出てきています。今後さらに食生活や栄養に関して学べる場が必要となるのではないかと感じています。
栄養指導を初めて受ける方からは、「これまで食生活の相談をどこにすればいいか分からなかった」などの声も多くいただいております。今年度は集団での栄養指導もスタートし、患者様と関わる機会もさらに増えました。
管理栄養士というと“給食を作る人”というイメージが大きいかと思いますが、“食生活や健康づくりについて相談ができる人”というイメージを確立し、より身近に感じていただき、患者様との絆を深めていきたいです。そのためには、食事や栄養、精神疾患に関する知識をつけ、患者様や他部署の方から頼られる存在になれるよう自己研鑽に励んでいきたいです。